“信頼される人”が密かに続けている3つの習慣

- 「なんで、あの人ばかりに頼まれるんだろう?」
- 「同じように頑張っているのに、評価が違う気がする」
- 「リーダーなんて向いてないのに…と思っている人が、気づけば周囲を動かしている」
こんなこと、感じたことはありませんか?
学校現場でリーダーになる人は、リーダーに“なりたい人”より、リーダーになってほしいと“お願いされる人”のほうが、実は多いのではないでしょうか。
しかし、その「お願いされる人」には、目立たずに実践している習慣があります。
これは、能力や性格の話ではありません。
もっと小さな行動の積み重ねが、信頼を生み、やがてリーダーシップにつながっていくのです。
わたしはこれまで、若手からベテランまで、たくさんの先生方の成長を間近に見てきました。
そのなかで「この人は、いずれ自然とリーダーになるだろう」と感じる人には、ある共通点があったのです。
今日は、「信頼される人」が密かに続けている3つの習慣をお伝えします。
目立たないけれど、確実に信頼されていく力。
あなた自身の在り方に、小さなヒントを加えてみませんか?
Point:信頼される人は、目立たないけれど大切な習慣をもっている
「この人に任せたい」と思われる人は、特別な技術や立場をもっているわけではありません。
それよりも、日々のふるまいや関係の築き方に、無理のない自然さがあります。
そして、多くの人から信頼を集める人には、共通する“ちょっとした習慣”があるのです。
それは、人目につきにくいことばかりですが、確実に周囲の心を動かしています。
今回は、学校現場で実際に信頼を得て、やがてリーダーとして成長していった先生方の姿から、「信頼される人」が実践している3つの習慣を紹介します。
どれも、今のあなたのふるまいを少しだけ変えるヒントになるかもしれません。
Reason:人は「すごさ」より「安心感」に惹かれる
現代の学校において、リーダー像はかつてと大きく変わってきています。
昔は、経験が豊富で、知識もあり、強いリーダーシップを発揮する人が「頼れる存在」とされていました。
でも、今の学校現場で求められているのは、そうした「先導型リーダー」だけではありません。
むしろ、多くの現場で重宝されているのは、こんなタイプの人たちです。
- 話しかけやすく、いつも落ち着いている
- ちょっとした変化に気づいて声をかけてくれる
- 「大丈夫ですよ」と自然に言ってくれる
- 自分だけで抱えず、相談しながら進めてくれる
- 誰の意見にも耳を傾ける
こうした人には、安心感があります。
そしてその安心感は、学校という集団においては、ものすごく大きな価値になります。
わたしが関わってきた学校でも、「あの先生、すごいわけじゃないけど、話すと落ち着くんですよね」という声をよく聞きました。
そのような人がいることで、チーム全体が安定し、職場の風通しが良くなるのです。
そして、こうした先生方には共通点がありました。
派手ではないけれど、日々のふるまいに一貫性がある。
忙しい中でも、人とのつながりを大切にしている。
その「地味だけど確かな信頼」をつくっているのが、彼らの“習慣”だったのです。
信頼される人は、意識的に信頼を勝ち取っているのではなく、自然に信頼される「ふるまい方」を日々積み重ねています。
それが、周囲に「この人なら」と思わせ、結果としてリーダーとしての成長へとつながっていくのです。
Example:信頼される人が密かに続けている3つの習慣
習慣1:メモをとる(小さなことも記憶に留めている)
会議での発言、職員室での何気ないやりとり、子どもとの会話。
こうした一つひとつを、きちんとメモに残している先生がいます。
それは「記録のため」でもあるけれど、もっと根っこには「相手の話を大切にしたい」という気持ちがあります。
ある小学校の女性の先生は、会議中の提案内容や決定事項はもちろんのこと、同僚の何気ない一言をメモ帳に書きとめていました。
「〇〇先生、昨日話していた件、今朝考えてみたんですが…」と、そのメモをもとに話を広げる姿勢に、相手は驚きと喜びを感じていました。
さらに、この先生は保護者との面談でも、前年度の内容や家庭での悩みについてもノートを確認しながら話していました。
結果として「ちゃんと見てくれている」「信頼できる」という評価が、子どもや保護者からも広がっていきました。
このように、小さな会話を覚えている、あるいは記録している姿勢は、「あなたとのやりとりを、私は覚えていますよ」というメッセージになります。
それが信頼につながっていくのです。
習慣2:「困ったとき、一緒に考える」姿勢を持っている
「相談されると、つい答えを出そうとしてしまう」
そんな先生は多いかもしれません。
でも、任される人ほど、「一緒に考える」という姿勢を大切にしています。
わたしが関わっていたある中学校の学年主任は、後輩からの相談に対して、まずは「それって、どこが一番引っかかってる?」と質問を返していました。
その後も、「実は自分も、似たような場面で迷ったことがある」と、自分の経験を開示しながら、答えを出すのではなく、共に考えるプロセスを丁寧に共有していたのです。
このように、相手の悩みをすぐに解決しようとするのではなく、「あなたの話を、ちゃんと聞いています」「一緒に考えます」というスタンスを見せることで、相手は安心します。
結果として、「この人となら、また話したい」と思われるようになり、自然と周囲の信頼を集めていきます。
「支える力」としてのリーダーシップが、そこに生まれているのです。
習慣3:「感謝」と「名前」を添えて伝えている
「ありがとう」は魔法の言葉。
でも、信頼される人は、その一言にもうひと工夫を加えています。
それが、「名前を添えること」と「内容を具体的にすること」です。
たとえば、「〇〇先生、昨日の放課後、◯◯を手伝ってくださってありがとうございました」と言われたとき、「感謝されている」というだけでなく、「ちゃんと見てくれていた」と感じることができます。
これは、相手の存在を肯定し、関係性を温めていく力があります。
わたしが見てきたある高校の先生は、何かあると丁寧にお礼をする人でした。
普段、あまり関わることのないと思っていた事務の方でさえも、「あの先生のためなら私も頑張ろうかなって思えちゃうんですよね」と言っていたことに驚いたことがあります。
言葉には力があります。
そして、名前を添えて伝える感謝の言葉は、「あなたを大切に思っていますよ」という、最もシンプルで最も効果的な信頼構築の方法なのです。
Point:目立たないけれど、確実に信頼を育てる3つの行動
ここで改めて振り返ってみましょう。
リーダーとして自然に任されていく人には、こんな習慣があります。
- 小さなことでも記録し、覚えている姿勢を見せている
- 答えるより、一緒に考える姿勢を大切にしている
- 感謝と名前をセットで伝えている
これらの習慣は、すぐに注目されるものではありません。
でも、こうした行動を続けている人のまわりには、少しずつ信頼が蓄積していきます。
リーダーは「なる」ものではなく、「なってほしいと見られる」もの。
そして、その背景には、こうした丁寧な関係づくりの姿勢があるのです。
まとめ:日々のふるまいが、リーダーとしての未来をつくる
学校の中で、急に「リーダー、お願いします」と言われることがあります。
でも、本当のリーダーは、誰かに決められるのではなく、
日々のふるまいや関係性の中から、自然と育っていくものだと、わたしは感じています。
- 小さなことを忘れない
- 一緒に悩む姿勢を大切にする
- 名前を呼んで感謝を伝える
どれも目立たないけれど、続けることで周囲の目が変わり、声がかかるようになります。
リーダーになることは、偉くなることではありません。
信頼される存在になることです。
わたしも、いつも迷いながら、こうした習慣を意識しています。
ぜひあなたも、自分らしい形で、信頼を少しずつ育てていってください。