『私ばかりが頑張ってる気がする…』と感じたときの考え方

- 学年の仕事も、行事の準備も、なぜか自分ばかりが動いている
- 周りが他人事のようで、心の中にモヤモヤが溜まっている
- 愚痴をこぼすわけにもいかず、でも納得もできない
そんな思いを抱えていませんか?
教師という仕事は、子どもたちの前では笑顔を見せながらも、裏では見えない「負担」と日々戦っています。特に、リーダー的な役割を担っている人ほど、「なぜ自分だけがこんなに頑張らないといけないのか」と感じることがあります。
でも、その“しんどさ”を解決するためには、相手を変えるよりも、まず自分の見方を柔らかくする視点が大切なのです。
この記事では、「私ばかりが頑張っている…」と感じたときに試したい心理的アプローチと、気持ちを楽にするための思考の整え方を紹介します。
今の心の重さを少しでも軽くするために、ぜひ最後まで読んでみてください。
Point
「私ばかりが頑張っている」と感じたときは、考え方のクセに気づき、「比較」や「義務感」から自分を解放することが大切です。
誰よりも子どもたちのことを考えて、誰よりも先に動いて、誰よりも責任感をもっている。
──それなのに、誰にも気づかれない。
むしろ「やって当然」「頼れる人」にされて、気づけば自分ばかりが疲れている。
そんな現実に直面すると、ふと、「なんで私だけがこんなに頑張ってるの?」という気持ちが湧き上がってきます。
でも、そこで怒りや悲しみを抱えたままでいると、心のエネルギーがすり減ってしまいます。
ここで必要なのは、“頑張っている自分”を認めつつ、心を楽にする考え方の転換です。
※ただし,生活に大きな影響を与えていると感じたり,家族から心配された場合,管理職等に相談することが大切です!
Reason(理由)
「私ばかりが頑張っている」と感じるとき、実は以下のような心理的メカニズムが働いています。
1. 「比較」の罠
人は、自分の努力や貢献を「相対的に」評価します。
たとえば、
- 自分は1時間残って作業したのに、他の人は定時で帰った
- 自分は週末も教材研究したのに、あの人は趣味を楽しんでいた
こうした比較が、「私ばかり」という感情を生み出します。
でも、比較はあくまで見えている部分だけの話。
見えない努力や背景を知らずに比べてしまうことで、不公平感が膨らむのです。
2. 「べき思考」の影響
「リーダーなんだから責任を持たなければ」
「他の人がやらないなら、私がやらないと」
こうした“べき”の思考は、一見正義感に見えますが、自分を追い込む原因にもなります。
実は、「頑張っている人ほど、もっと頑張ってしまう」傾向があるのです。
3. 「承認欲求」のすれ違い
頑張っても誰からもねぎらいの言葉がないと、「自分の努力は意味がない」と感じてしまいます。
でも周囲があなたの頑張りに「気づいていない」だけで、「感謝していない」わけではないことも多いのです。
承認されないことで「私ばかりが…」という感情は、さらに強くなっていきます。
Example(具体的な思考転換と行動のヒント)
では、どうすればこの“つらさ”から抜け出すことができるのでしょうか?
以下の5つの視点と行動を取り入れることで、心の負担がぐっと軽くなります。
1. 「私は頑張っている」と自分で認める
まず一番大事なのは、他人が認めてくれなくても、自分が自分を認めるということ。
- 「今日も子どもたちのために動けた」
- 「誰かのサポートになっているはず」
- 「私は、できることを精一杯やっている」
こうした自己承認の習慣は、心を穏やかに保つベースになります。
「ねぎらいの言葉」が他人から来なくても、自分が自分に送ることができれば、心の回復力は上がります。
2. 「100%責任感」を手放す
全部自分がやらなければ、という完璧主義を少し緩めみましょう。
たとえば、
- 10割やっていたところを7割にする
- 任せられる部分は思い切って任せる
- 結果の質が少し落ちても、「集団でやる意味」を大事にする
リーダーは「全部やる人」ではなく、「任せる人」です。
人に任せることもまた、立派な仕事のひとつです。
3. 「行動」ではなく「意図」に目を向ける
他の先生が“動かない”ように見えるときも、実はその人なりの意図や事情があるかもしれません。
- 家庭の事情で時間に制限がある
- 気力はあるけれど、どう動いていいかわからない
- 過去に無理をして体調を崩した経験がある
人は、行動の背景まではなかなか見えません。
「なぜやらないのか」ではなく、「どんな理由があるのか?」という視点を持つと、感情の衝突を避けやすくなります。
4. 「信頼して任せる」ことを増やす
自分ばかりが頑張っている感覚の裏には、「他の人を信頼しきれていない」自分がいることもあります。
だからこそ、
- 小さな仕事を任せてみる
- 任せた後は口出しを控える
- 失敗も成長のプロセスと考える
このように、「やらせる経験」を相手に与えることも、リーダーとして大切な行動です。
信頼して任せれば、「私ばかり」という感覚も次第に薄れていきます。
5. 「本音の共有」で誤解を防ぐ
「本当はつらい」と感じている自分を隠したままでは、周囲も気づきようがありません。
- 「実はちょっと疲れてて…」
- 「これを全部一人でやるのは大変で…」
- 「少し手伝ってもらえると助かる」
こうした“やわらかい本音”の表現を使うことで、周囲との関係性も変わります。
頑張りすぎる人ほど、「助けて」と言うことにブレーキをかけがちですが、助けを求めることも“信頼”の一つの形なのです。
Point(再び結論)
「私ばかりが頑張っている」と感じるのは、あなたが真剣に仕事に向き合っている証です。
でも、その感情に押しつぶされないためには、「見方」を変えることが必要です。
- 比較せず、自分を認める
- 任せることでチームの力を育てる
- 相手の意図を尊重する
- 本音をやわらかく共有する
このような行動の積み重ねが、感情のしんどさを軽減し、チームの空気を変えることにもつながります。
【まとめ】
この記事では、「私ばかりが頑張っている」と感じたときにどうすればよいか、その考え方の整え方についてご紹介しました。
まず理解しておきたいのは、なぜ私たちは頑張りすぎてしまうのかということです。
多くの場合、周囲との比較によって「あの人は楽をしているのに、私だけが…」という不公平感が生まれます。さらに、「リーダーたるもの、こうあるべき」「責任者として、これくらいはしなければ」といった「べき思考」が自分を追い込んでしまうのです。そして、どれだけ頑張っても周囲から認められない、感謝されないという状況が続けば、心身ともに疲弊してしまうのは当然のことです。
こうした状況を改善するために、気持ちを楽にする5つの視点を持つことが大切です。
- 自分で自分を認める
- 100%責任感を手放す
- 相手の意図に目を向ける
- 信頼して任せる
- やわらかく本音を伝える
自分の頑張りを否定する必要はありません。しかし、すべてを背負いすぎる必要もないのです。その絶妙なバランスこそが、リーダーとして長く働き続けるための知恵なのです。
あなたの誠実な働きは、きっと誰かを支え、学校全体を支えています。完璧でなくても構いません。
今日のその一歩を、どうか大切にしてください。
※ただし,生活に大きな影響を与えていると感じたり,家族から心配された場合,管理職等に相談することが大切です!